そうだ、かわいいおばあちゃんになればいいんだ!

今、Amazonで中古で手に入れた『テイブルと』を読んでたんですよ。

テイブルと―女の子のための暮らしとスタイリング (2005秋冬) (Gakken mook)

テイブルと―女の子のための暮らしとスタイリング (2005秋冬) (Gakken mook)

特集はロマンチック・グランマ・スタイル。おばあちゃんをお手本にしよう、です。
『テイブルと』の前号(特集:女の子の食卓)がカワイくておもしろかったので、こっちもなんとなく買ってみたんですが、これがねえ、グッときた!今までいろいろ背負い込んで生きてたのがなんだったんだろうと思えるぐらい目のウロコが落ちたんですよ。今回の特集。


↓ライターの山崎まどかさんの文章を引用。

 女の子たちはみんな、年を取るのは悲しいことだと言い聞かされて大人になっていく。いつまでも若く、美しいままではいられない、女の子の栄光ははかないものだと。
 でも私たちはちゃんと知っている。女の子の感性は失われ、すり切れていくのもではない。積み重なって、ある部分は冷たい朝の空気みたいに研ぎ澄まされ、ある部分は日向でふくふくと体をふくらませて眠る猫のように丸く優しくなっていく。おばあちゃんとは、女の子の完成型なのかもしれない。

私は今28歳で、若かりし20代の約半分をうつ病でつぶしてきたことを今まですごくもったいなく思っていたんです。病気になる前は勉強も仕事もバリバリこなし、一度なにかハマるとぎゅーーーんと極めないと気が済まない人間だったもんで、うつになってなにもできなくなった時に自分の人生はもう終わりだとすっごく落ち込んだんですよ。最近肌荒れが治りにくくなってきたとか、そういうこともいちいち気にしてて。高校時代とかの若いときの写真を見ては、戻りたい戻りたいとずっと思ってたんです。
だけどこの文章を含むおばあちゃん特集を読んで、「そうだ、たしかに、年を取るのは悪いことじゃない!」とはじめて本気で思えたんですよ。若い時にいろいろして、競争に勝って、周りに認められることだけが人生だと決めつけてしまうと、すごく息苦しくなってしまう。だけどいつか死んでしまうそのときまで、ずっと楽しんでいくのが人生だと思うと、すごく気がラクになる。
以前生きづらさに悩んでいた時、中島義道先生の本

人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫)

人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫)

を読んで「あぁ、確かに競争からは降りた方が人生ラクだよな‥‥でも具体的にどう生きたらいいのか思い浮かばないなぁ」と思ってたんですが、今回のおばあちゃん特集でロールモデルにすべき姿がみつかってしっくりきました。


決めた!私は「かわいいおばあちゃん」になる。流行に流されなくて、裁縫や料理が上手で、植物を育てるのが上手で、いろんな生活のまめちしきを知ってて、かわいい花柄の着物が似合って、笑顔がまぶしくて、たくさん人の相談に乗ってあげられる人になる。
ダーリン、おかん、友達のみんなー、私、人生の目標が決まったよー!もうこれで何事も迷わなくてすむよ!病気の治りが遅いだとか自分は消費するばかりで一円もかせげでないだとか、そんなのはもう過去の悩みです。今までたくさん迷惑かけてごめんなさい!これから先は一緒に人生エンジョイしようぜ!


『テイブルと』ではステキなおばあちゃんが出演する映画がたくさん紹介されてたのでかたっぱしから借りてみようと思います。紹介されてた中で『ラヴェンダーの咲く庭で』は観たことあるんですが、この映画、すごく良いです。姉妹のおばあちゃん役の女優さんがとても魅力的で、年をとっても乙女心は朽ちることがないんだ、ということがじんじん伝わってきました。
『テイブルと』は季刊かと思いきや全部で2号しか出てないんですが、ぜひ復刊してほしいです。今回グッときたこの2005年秋冬号、若さを失うことに焦りを感じている女子たちに是非読んでもらいたいと思います。おばあちゃんファッションや大事にしたい雑貨特集などもステキです。プレミア価格がついてしまってるのが残念ですが。